乳幼児医療全国ネット 乳幼児医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
乳幼児ネット2010年5月集会
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基調報告 国による乳幼児医療費無料制度の創設等を求める運動 の現状と今後の課題 1/3
2010 年5月26 日
「乳幼児医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」事務局 1 就学前児童を対象とする国の医療費無料制度創設の現状と課題 私たちは、小学校就学前までの子どもたちの医療費無料制度を国が創設するよう求めて、 2001年5月に「乳幼児医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」(略称:乳幼児 医療ネット)を結成しました。 平成22 年1月1日に厚生労働省が発表した2008 年度合計特殊出生率は1.37 であり、人 口を維持するのに必要な2.08 への回復は依然として困難で、まさに危機的な水準を推移し ています。合計特殊出生率は2001 年から2005 年まで低下し、団塊ジュニア世代が出産ピ ークに入ったことから2006 年(1.32)から持ち直していますが、2009 年以降は団塊ジュ ニア世代が出産適齢期から外れてしまうことから、大変厳しい状況となります。
また、総務省が5月4日に発表した2010 年4 月1 日現在の子どもの数(15 歳未満の推 計人口)も、昨年より19 万人減って1,694 万人となり、29 年連続の減少となっています。 また、総人口に占める子どもの割合は36 年連続の低下となる13.3%で世界最低水準値です。
OECD 報告書(訳書「世界の社会政策の動向」2005 年6月刊)によると、子どもの直接費 用の減少(子どもを持っても所得が減らない措置等)などの4つの条件が出生率に影響し ており、これらの条件が高い水準に達している上位国のレベルで実施された場合には、日 本の合計特殊出生率は約2.0 まで増加すると指摘しています。 また、内閣府「少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査」(2005 年春)では、「少 子化対策として重要であると考えているもの」では、「経済的支援措置」が69.9%と断然 トップでした。「経済的支援措置」について望ましいものを聞いたところ、「医療費の無料 化」を挙げた女性が45.8%に上っています。 さらに、2009 年3月に発表した島根県の調査では、「子育てに伴う経済的負担を軽くす る」が全体で84.9%(1999 年度調査:68.1%、2003 年度調査:75.5%)と年々高くなっ ており、2009 年3月に山口県が発表した調査でも、「乳幼児医療費や保育料の負担軽減な ど経済的支援を充実」が50.9%と最も多くなっています。 少子化を食い止めるためには、総合的な施策を進める必要があることはいうまでもなく、 特に経済的負担を軽減することが必要です。 その一環として、国による就学前までの医療費無料化制度を実現するよう、政府に対し て改めて強く訴えていきましょう。 (1)運動の到達点
(2)今後の課題―「3つの課題」に引き続き取り組む 2008 年度からは、3歳〜就学前までの窓口負担が2割になりましたが、わが国の児童の 医療費自己負担(3割又は2割負担)は、他の先進諸国に比べて非常に重いのが実状です。 ドイツ・イギリス・イタリア・カナダ・スウェーデンでは無料(自己負担免除)です。 児童福祉法をもつわが国においても、児童に対する医療費負担軽減措置を市町村任せに せず、政府の責任において実施すべきです。 2010 年3月1日の衆議院予算委員会で長妻厚生労働大臣は、就学前の子ども医療費を無 料化するのに必要な財源は年間約3000 億円であることを明らかにしました。無料化費用の 半分を国が負担する場合には年間で約1500 億円の国庫負担です(2008 年4月24 日参議院 厚生労働委員会 水田保険局長答弁)。 安心して子育てできる社会への第一歩として、就学前児童の医療費無料制度の創設を国 に求めて運動を一層強めて行きましょう。 「全国ネット」としては、次の「3つの課題」に引き続き取り組みます。 @請願署名の推進 A地方議会意見書採択の推進(目標:全地方議会の5割以上) ※ 5割(899議会)以上まで、あと106議会 ※ 自治体合併で新たに誕生した議会への請願に優先して取り組み、5割以上を早 急に実現しましょう。 B国制度創設に賛同する国会議員を広げる |