意見書案 第○号 国民健康保険療養費国庫負担金の調整(減額)廃止を求める意見書
平成22年1月1日に厚生労働省が発表した2008年度合計特殊出生率は1.37であり、人口を維持するのに必要な2.08への回復は依然として困難で、まさに危機的な水準を推移している。 深刻な少子化の進行の中で、子育て中の世帯への直接的な経済援助、育児への心理的支援は大変重要である。 国による子育て支援が不十分な中で、地方自治体は、子ども医療費の無料化を求める声に応えて、子ども医療費助成制度を拡充してきた。 2009年4月1日現在で助成対象を「就学前」以上とする自治体は通院94.17%、入院97.5%に達している。また、「中学卒業」以上を助成対象とする自治体も通院19.4%、入院21.7%に達している。(厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保険課調べ) こうした子ども医療費助成の拡充は、地方自治体が厳しい財政状況の中で、大変な苦労をしながら実施しているものである。 ところが、医療費助成について窓口での支払が不要な「現物給付」にした場合には、国民健康保険の国庫負担金が調整(減額)され、「現物給付」にしている市区町村では、財政運営上の大きな支障となっている。 また、患者さんが窓口でいったん一部負担金を支払い、償還されるのが2か月後になる「療養費払い」としている市町村では、受診抑制が発生し、経済的格差によって必要な医療が受けられない状況が見受けられる。 政府は少子化対策に取り組んでいるが、国民健康保険に対する国庫負担金の調整(減額)は、これに矛盾する措置である。 よって、政府におかれては、乳幼児・児童医療費助成制度等に係る国保国庫負担金の調整(減額)を廃止されるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成○年○月○日 ○○県議会(市町村議会)議長 ○○ ○○ |