国の制度創設を求める意見書(雛形)

意見書案 第○号

国による乳幼児医療費無料制度の創設を求める意見書


平成22年1月1日に厚生労働省が発表した2008年度合計特殊出生率は1.37であり、人口を維持するのに必要な2.08への回復は依然として困難で、まさに危機的な水準を推移している。

 少子化の進行は、人口構造の高齢化や将来の生産年齢人口の減少にもつながり、子どもの健全な成長への影響のみならず、社会経済や社会保障のあり方にも重大な影響を及ぼすことが懸念される。

 こうしたことから、子育て家庭の経済的負担を軽減する措置が少子化対策の重要施策となっており、乳幼児医療費助成制度は、公的医療保険制度を補完する制度として全国の多くの自治体で実施され、乳幼児の健全な育成と児童福祉の向上に大きな役割を果たしている。

 しかし、自治体間で制度が異なっているため、住む地域によってサービス内容に格差が生じているのが現状である。

 児童期までの年代は、病気に罹りやすく、また、アトピー性皮膚炎、小児喘息など長期の療養を要する病気も増加しており、病気の早期発見と早期治療、治療の継続を確保する上で、医療費助成制度は極めて重要な役割を担っている。さらに、厚生労働省が推進する「8020」運動の達成のためには、永久歯が完成する中学校時期までの口腔管理の充実が必要であり、そのためにも同制度の果たす役割は大きくなっている。

 このような地方公共団体の施策を一層充実させ、子どもを安心して産み、育てることのできる社会の実現をめざすには、地方制度の安定化が必要であり、そのためには国による支援が不可欠である。

 よって、政府におかれては、当面、国による義務教育就学前児童に対する医療費無料化制度を早期に創設されるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成○年○月○日

内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣   様
総務大臣

             ○○県議会(市町村議会)議長  ○○